IE9ピン留め

Paul de Souza ~ Sweet Lucy('77)

国内初CD化、999円。

CD屋でそんな文字を見つけて、このアフロのお兄さんのCDをむんずと掴む。
そしてしばし考える。
不勉強なのでリーダーのPaul de Souzaがどんな人間かよく知らない。



経験則上、上むいてカッと笑っているジャケットに悪いdiskはない。
(キャノンボールのThings are getting betterとか)

なにより、パーソナルにフレディハバードがクレジットされている。

結局、999円に負け、あまり期待せずに購入。


   *    *    *

1曲目のSweet Lucyが、いきなりブッ飛ばす。
ブラジリアンでファンキーでポップでキラキラなグルーヴ。
期待以上、髪型以上の当たり盤。

テクニカルなトロンボーンのソロ。
ゴージャスなリフ、ノリノリのバッキング、クールなコーラス。
わかりやすい8ビートが跳ねまわる。

残念なのは、この絶好調の1曲目に期待のフレディーハバードが参加していないこと。
トロンボーン、ピアノと続いたソロのあとに、フレディのトランペットか、と期待したのだが。

その後はそこそこの曲が続いて、
7曲目のNew Loveで寝ぼけたように披露される彼のボーカル。

ぬったり感満載のベッタベタのバラード。
訛ったたどたどしい英語で、たどたどしいバリトンの歌唱。
「♪New Love~」がほぼ「♪ヌゥ~ゥ~ ラァ~ァ~ブ」。
ほのぼのを通り越して、脱力。

金ぴかラメラメジャケットに、大きめ蝶ネクタイ。
ひらひら袖口に、キンキラ金色マイク斜めに構えて、って感じ。
まぁ、ご愛嬌で片付く範囲なので、これも好感。

さて、最後の曲
8.Bottom Heat
で、ようやくフレディハバードのソロが弾ける。
連発連発、ハイノート連発。

雰囲気は、翌78年に発売されたBilly JoelのZanzibarでのソロのよう。

当時は、子ども心にビリージョエルってトランペットもうまいんだなぁって思ってたんだけど。
(ジャケットに偽りあり)

77年はハービーハンコック達とVSOPで頑張っていた頃。
VSOPのフレディももちろんかっこいいけど、マイルスの代わりでやっている緊張感が微妙にあり、
むしろこういった「ゲストで気楽」、の時の方がのびのびとやりきっている感もあり。
ホントはどうかわからないけど…

いずれにしろ結果的に1曲目と8曲目を繰り返し聴く。


   *    *    *

で、どうも1曲目のSweet Lucyにデジャヴというか、既聴感というか。
なんか、似たような曲を聴いたことがあるなぁ、と、モヤモヤを温めていると、
ひょんなところから答えが。

答えはキリンジの「雨は毛布のように」



もしかしたら、何らかの形でインスパイアされているのかな、堀込ブラザーズ?



# by allsummerlong | 2012-01-14 00:20 | Jazz | Trackback | Comments(0)

家元

浅草演芸ホールの天井に向かって、
「家元~」
と、満員の観客が叫ぶ。
壇上には、小朝と三平の元義理の兄弟。

   *  *  *

談志の訃報が流れたのは前日。
立川流はもちろん、演芸場には出ないことは分かっているのだけれど、
なんだか居てもたってもいられない、という雰囲気の観客で、
浅草演芸ホールは立ち見の出る満員。

小朝が一夜明けてどんなコメントをするかをみんな固唾を飲んで待つ。

「先代の三平がなくなったとき、ちょうどこの浅草演芸ホールで
談志の掛け声で、観客全員で天井に向かって「三平~」と呼びかけて、みんなで見送った」

というエピソードを披露し、ちょうど三平が出演しているのも、
何かの縁なので、二代目三平の掛け声で今度は談志を送りましょう、となり、
冒頭の掛け声をかけることになった。

そのあと、談志を偲んで、「らくだ」あたりやってくれないかな、と思っていたけど
浅草演芸ホールだし、トリでもないし、軽目の「紀州」。

   *  *  *

浅草からの遠い帰り道。
ひとりipodで談志のその「らくだ」を聴く。

最後に「らくだ、好きな落語です」としみじみ語る談志。

目頭が熱い。

# by allsummerlong | 2011-11-25 01:15 | その他 | Trackback | Comments(0)

サカナクション ~ 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』('11)

岩手県遠野市、道の駅風の丘。

文字通りの丘を渡る風に吹かれながら、地元産の野菜や山野草の苗を目的もなしに見ていると、
割れ気味のスピーカーから、サカナクションのこの歌が流れてくる。




   *   *   *

1週間の夏休み。

前半は、震災後2回目の釜石市でボランティア。

1回目は7月下旬。
市街にはまだまだ壊れた家屋とガレキの山。
行き交う自衛隊のトラック。
街に立つと、津波が襲ってきた時の音が聞こえてくるような生々しさ。

2回目の今回。
街はだんだんと片付いてきている。
壊れた家屋は取り払われ、僅かに残った家々の土台を夏草が隠している。
空は一層高く、まるで遺跡か遺構の前に佇んでいるよう。

働きアリがせっせと巣穴を掘った土で蟻塚を築いていくように、
ガレキは少しずつ確実に、ガレキ置き場にうずたかく積まれていく。

自衛隊もすっかり撤退して、少しずつ以前の日常が。
市街のスーパーにも多くの人(スーパーを失った周辺の町からの買出しが多いとのこと)。
若者離れの街に、全国から来るボランティア達が若々しい声を響かせる。

ボランティアの仕事も、今回はガレキ掻きよりも仮設住宅の引越しの手伝い。
釜石市は仮設住宅が充足しているとのことで、
少しでも条件の良いところに移ることが多いとのこと。

家をすべて流された単身のお祖母さんの仮設から仮設への引越し、
と聞くと感覚的には楽勝、と思うのだけれど。
赤十字から支給された家電セット、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、炊飯器と電子レンジをはじめとして、衣類とか布団とかテーブルとかの大量の支援物資。
大人6~7人で、汗を大量にかいてクタクタになってなんとか運びきる。

前回も今回も意外だったのは、地元の人たちが自身の震災の体験を積極的に話してくれること。
あまり振り返りたくない、というより話すことで何かを確認しているようにも感じる。
ただ、ご高齢の方々については、わからない言葉が時々挟まるのが残念。


後半は、花巻の大沢温泉の自炊部に2泊。
有名な露天風呂には滞在中7~8回入ったけれど、いつも貸切状態。

6帖間に一人はいいとして、廊下との境目は鍵のかからないフスマのみ。
そこからはいろんなチャンネルのテレビの音やら話し声やら歩く音やらが漏れ聞こえてくる。

ポータブルDVDプレイヤーで、これまで見る時間がなくて溜まったDVDを見る。
見終わったら温泉にはいり、そしてまたDVD鑑賞という2日間。

夢のような2日間だったが、残念だったのは見たDVDがほぼ全てハズレだったこと。
笑うしかない。


   *   *   *

そういえば、釜石のボランティアで一緒だった、気のいい大阪から来たJR西の若い運転手の2人。
「紀勢線運転してる時に津波来たらどうしようかと考えちゃいます」
っていっていたけど、今回の台風でその紀勢線の橋が流されちゃった。

どうしてるかなぁ。

# by allsummerlong | 2011-09-04 23:27 | その他 | Trackback | Comments(1)

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